アヌシー国際アニメーション映画祭レポート
2016.07.01
みなさまはじめまして。ジェンコ海外担当の宇田川です。
今回は、6月16日に行われたフランス「アヌシー国際アニメーション映画祭」の“Work in Progress 2016 Feature ”(WIP)部門で紹介された、『この世界の片隅に』についてのレポートをお届けします。
朝8時半、1時間前に会場入りしたところ、雨にもかかわらず、会場の前で既に20名ほどの列が。1番目に並んでいたフランス人の方から、「私は、『この世界の片隅に』のクラウドファンディングに参加しましたよ」と話しかけられました。日本から遠く離れたアヌシーの地で支援者の方から声をかけていただいたことに驚き、心強く感じました。
プレゼンテーションは朝一番のセッションでしたが、会場は来場者で一杯。丸山正雄(MAPPA)プロデューサー、真木太郎(GENCO)プロデューサー、そして海外セールスを手がけるAnimatsuのJerome Mazandarani氏が登壇しました。
セッションではまず、片渕監督、こうの先生、両プロデューサーを紹介。その後、『この世界の片隅に』の物語冒頭部分にあたる「冬の記憶」が上映されました。
上映後は、真木プロデューサーが、「冬の記憶」に登場する中島本町に言及。今では原爆によって失われてしまった中島本町をどのように再現したかなどを話しました。フィルムでは、現在は平和記念公園のレストハウスになっている「大正屋呉服店」や、産業奨励館(現在の原爆ドーム)が繊細に描き出されています。
続いて、丸山プロデューサーが本企画の立ち上がりについて話しました。その後行われたQ&Aでは、熱心な質問が多数ありました。最後に『この世界の片隅に』パイロットフィルムを上映。上映が終わると、満席の会場が大きな拍手に包まれました。なかには壇上に駆け寄る来場者の姿も!
プレゼンテーション終了後、来場者から「パイロットフィルムを見ていて涙がこぼれました」との声もありました。改めて、『この世界の片隅に』の力は国境を超えるのだと感じ入った次第です。
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以上で「アヌシー国際アニメーション映画祭」のミニレポートを終了します。