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映画「この世界の片隅に」公式サイト

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2025.08.02

【公開記念舞台挨拶レポート】『この世界の片隅に』リバイバル上映にのんさん・片渕須直監督が登壇!

もしも、すずさんがこの世界のどこかで今も暮らしていたら——
今年でちょうど100歳を迎える年になります。
そしてこの2025年は、終戦から80年という節目の年でもあります。

そんなタイミングで、9年ぶりに劇場のスクリーンに戻ってきた『この世界の片隅に』。
初日の舞台には、主人公・すずの声を演じたのんさんと、片渕須直監督が登壇し、この作品に込めた想いや、時を経ても変わらない作品の力について、丁寧に語ってくださいました。

今回のリバイバル上映にあたって、のんさんは「再び劇場で『この世界の片隅に』をご覧いただけることがとても嬉しいです。この作品は、私にとっても俳優としての人生に深く関わる、かけがえのない作品です」と、感謝と喜びを込めてご挨拶されました。

片渕監督も、「のんちゃんが隣にいるのは久しぶりで、当時の気持ちがふっとよみがえってきました。あの日の続きのような、そんな気持ちでいます」と、しみじみとした表情で語られました。

そして、すずさんが100歳を迎える今年という年について、監督は「戦争が終わった年、すずさんは20歳でした。あの時代を生きた方々の声を直接聞ける機会も少なくなっています。この作品は、過去を遠ざけないために、そして今とつながるものとして作った映画です」と話し、「のんちゃんが声を吹き込んでくれたことで、すずさんが“本当にそこにいる人”として、今も誰かの心の中に生き続けてくれているのだと思います」と、声をつまらせながら感謝の思いを伝えました。

そんな中、のんさんがすずさんとして質問に答える一幕も。9年の変化について問われると「そうですね、子供が大きくなって言うことを聞かなくなって大変です。子供は16歳になりました。9年も経つとものを言うようになりました」と照れながら返答。これに片渕監督が「あれ?すずさん、標準語になっていませんか?」とツッコむと、すずさんに成り切ったのんさんは「テレビは見ているので標準語を覚えました…ほいじゃ~ね~!」と手を振り、会場からはあたたかな笑い声がこぼれていました。

 

また、若い世代に向けて、のんさんは
「戦時下の出来事を直接体験した方にお話しを聞く機会が少なくなっている中で、この作品を観てすずさんに思いを巡らせていくと、今自分が生きているこの場所でそんな生活があったんだと想像することができます。自分の生活の中にある幸せを感じる事ができて、それを尊く思えるような、そんな作品になっていたら嬉しいです」と願いを込めました。

最後に、のんさんは「観たあとは、感想を誰かと伝え合っていただけたら嬉しいです。これからもこの作品が多くの方と出会い続けられるよう、末永くよろしくお願いいたします」と笑顔で締めくくりました。

片渕監督も「すずさんはあの頃から、今もきっと、どこかで元気に暮らしているんだと…今日、のんちゃんがその声を届けてくれたことで、心からそう思えました。ちょっと胸がいっぱいで、もう言葉が出ません」と、再会の喜びを噛みしめるように語られていました。

映画『この世界の片隅に』のリバイバル上映は、一部劇場を除き、8月15日(金)までの期間限定となっております。

今回の上映では、10代・20代の若い世代の皆さんや、この映画を初めてご覧になる方々がたくさん足を運んでくださいました。
そして改めて、このリバイバル上映を行って本当によかったと、心から感じています。

もちろん、何度も観てくださっている皆さんの変わらぬまなざしや温かなお言葉にも、胸がいっぱいになります。

すずさんの声が、静かに、けれど確かに届く劇場という空間で、今だからこそ感じられる時間があります。
どうかこの機会に、映画館でお会いできますように。

 

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